【P18】
 私は大正5年8月26日朝、日本の最南端、九州佐賀市の南郊、佐賀郡西与賀村に生まれた。

【P31】
 昭和8年5月1日―今は不承不承ながら許してくれた伯父に付き添われて、私は佐世保海兵団に入団した。
 (中略)
 型どおりの入団式を終わって、私は海軍4等水兵を命じられ日本海軍軍人の最後尾に列せられた。

【P37】
 昭和10年のことであった。
 私は既に1等水兵になっていて、ピカピカに光る巨大な36センチ主砲の2番砲手を命じられた。

【P438】
 すると第2小隊長の大木一飛曹が、脚を出したり入れたりしている。
 脚の具合が悪いらしいが、よく見ると右の脚が途中で止まって入らないらしい。
 彼は10分以上頑張っていたが、ついに出撃を断念して引き返した。
 これで、零戦隊は17機になった。
 ベテラン中のベテラン大木を欠いた第2中隊に大きな穴が開いた。
 私は、これは悪いことになったと思った。

【P439】
 私はなんだかひどく喉の渇きを覚えてきた。
 今日は特に緊張していたせいかもしれない。
 私は、サイダーがあるのを思い出して、それを取り出した。

【P440】
 高高度を飛んでいる時には、気圧が低くなっているために、万年筆でさえインキが噴き出してしまう。
 ましてやサイダーにおいてをやである。
 その注意事項をうっかり忘れて栓を抜いたからたまらない。
 サイダーは爆発的に遮風板といわず、風防といわず、照準器といわず、強圧ポンプで水を叩きつけたように飛び散ってしまった。
 もっとも水分は室内の換気がいいので、すぐ乾き始めたが、砂糖が入っているために、これがベタベタとすべての表面に付着して残ってしまった。

【P509】
 昭和17年11月になって、私は飛曹長(准士官)に進級した。