【P134】
 艦艇部隊が撤退作戦を実施しようとしていたころ、ショートランド、バラレやラバウルといった島の基地航空部隊では、四つの航空隊が、哨戒を実施していた。
 そのうち、ショートランド島のすぐ東のバラレ島から発進した751空の1式陸攻1機が1月29日の午前7時37分、北上するアメリカ海軍艦艇多数を発見した。

【P135】
 その発見海域はガダルカナル島南方のレンネル島の南115海里であった。
 (中略)
 続いて同じ海域を哨戒中の別の1式陸攻も、アメリカ艦隊の報告をしてきたが、位置や艦隊の編成に細かい違いがあり、基地航空部隊は触接機を飛ばし、正確を期すことにした。
 午前10時45分にバラレから1機、さらにブカからも1機、ラバウルからは3機の1式陸攻が、それぞれ発進し、ショートランドからは飛行艇が発進して、アメリカ艦隊の兵力とその正確な位置を確認することになった。
 航空部隊は触接に努めるとともに、練度の高い701空および705空に薄暮雷撃を命じた。

【P136】
 705空の1式陸攻16機は12時35分に発進、10分後に701空の1式陸攻16機(うち1機はエンジン不調で引き返す)が、いずれも雷装して発進した。
 雷撃隊の発進は、アメリカ艦隊の位置と兵力を確認するのに時間がかかったため、アメリカ艦隊発見の第一報から5時間もたっていた。
 発進した二つの1式陸攻隊は4時間ほどひたすら南下を続けた。
 (中略)
 雷撃隊が発進する少し前に触接を目的とした1式陸攻1機が飛び立っていた。
 この機は午後4時36分、レンネル島北方50海里の海域で北上するアメリカ艦隊を発見した。
 (中略)
 しかし日没となったので、この1式陸攻は午後5時20分に敵上空に進出、予想される進路上に約10個の航法目標灯を投下、味方雷撃隊の来るのを午後6時ごろと予測した。
 その予測よりも早く、705空の1式陸攻は午後5時16分ごろに到着、同19分に最初の突入を行なった。
 対空射撃が開始されると、敵艦上空で待機中の1式陸攻は、これを攻撃隊の到着と判断し、敵前に進出、大型の照明弾6発を投下して攻撃隊の照明とした。
 突入する日本機に対し、アメリカ艦隊は新兵器の近接信管を装備した対空砲弾で応戦、そのため1機の1式陸攻が火を噴いて墜落、海上にたたきつけられた。
 (中略)
 この行動はうまく行き、ギッフェン隊は魚雷を回避するのに成功し、そのため艦隊に被害はなかった。
 (中略)
 途中、海上に浮いている照明灯があるのを発見し、その正体は少将の幕僚も判別できなかった。
 これは午後5時20分ごろ、触接機の1式陸攻がアメリカ艦隊を発見した際、予想針路上に投下しておいたものであるが、アメリカ艦隊でこれを見破ったものは極く僅かであって、浮いている照明灯が発見され、最初の突入があってから約20分ほどした午後5時40分ごろ、再び日本軍機が突入してきた。
 2度目の突入を行なったのは701空の1式陸攻で705空の時は薄暮攻撃であったが、今回は完全な夜間攻撃であった。
 この時もやはり照明弾などを落としての攻撃だった。

【P138】
 照明を担当する機と雷撃する機のタイミングは絶妙で、昼のように明るくなった海上に魚雷が次々に投下された。
 最初に放たれた魚雷は「シカゴ」のわずか前方を通過した。
 続いて1本の魚雷が重巡「ルイスビル」に命中したが、これは不発に終わった。
 アメリカ艦隊は再び近接信管装着射撃で応戦し、1機の1式陸攻を撃墜したが、実はこの機は701空の指揮官機で、同機は墜落していく際に敵艦に突入しながら落下していった。
 701空は指揮官機を失ったにもかかわらず、果敢に攻撃を続けた。
 「シカゴ」の右舷に魚雷が1本命中し、今度は爆発を起こした。
 「シカゴ」はそのために缶室が浸水、4軸のうち3本の推進軸が停止してしまった。
 さらにもう1本の魚雷が命中、爆発を起こすと、残っていた1本の推進軸も失われ、「シカゴ」は完全に止まってしまった。