【P127】
 「味方の位置がまったくわからない」

【P129】
 燃料ゲージもどんどん下がってくるし、水平線ばかりで艦隊はいない。
 私はこの時、母親の輪郭に似た雲を発見した。
 そうしたら順番にその雲に目鼻がついてくる。
 それがいつのまにか母親になって、
 「こっち、こっち」
 そう叫んでいるように思えてならない。
 燃料もごくわずかなので、
 「そこまで飛んでいってだめなら自爆するしかない」
 そう思いながら母親のような雲に向かって飛んでいると、なんだか気持ちが落ちついてくる。
 (中略)
 さらに落ちついてくると、今度は家内と子どものことを思い出す。
 雲が家内のようにも見える。
 すると、一緒に飛んでいた若い搭乗員の「赤城」機がサーッと急降下していった。
 「墜落したのか?」
 そう思って私も降りてみると、そこには探し求めた母艦群がいるではないか。